見えないものを可視化する。というデザイナーの挑戦がひときわ輝いていた時代があった。しかもすべてが版画(シルクスクリーン)。横尾、田名網、田中一光、赤瀬川...と眩しい名前が連なる。芝居やリサイタル、というその場にいないとわからない表現を街で一目でわかるような絵柄にする。ましてや行ってみたいと思わせる。夢を見させる。時を経た今見てもその効果は変わらない。彼らの本気の仕事だ。あの頃はまさに黄金時代、日本のポスターがこんなすごい時代があった。 

2016年7月アツコ・バルー

上段・左から
『日活名画座』1960〜68年/デザイン=和田誠/シルクスクリーン
『ウィンドウ・ファイブ』1969年/デザイン=伊坂芳太良/シルクスクリーン
三島由紀夫『終りの美学』1966年/デザイン=横尾忠則/シルクスクリーン
『マリー洋装店』1968年/デザイン=灘本唯人/シルクスクリーン

下段・左から
『NO MORE WAR』1968年/デザイン=永井一正/シルクスクリーン
『越路吹雪リサイタル』1965年/デザイン=宇野亞喜良/シルクスクリーン
『一家に一枚零円札』1967年/デザイン=赤瀬川原平/青焼き
『エドワーズ』1970年/デザイン=長友啓典/イラストレーション=黒田征太郎/シルクスクリーン




会期
2016年
9月17日(土) 〜 10月9日(日)






営業時間

ポスターハリスギャラリー
水木金土日月   13:00 - 19:00

アツコバルー arts drinks talk
水木金土   14:00 - 21:00
日月   11:00 - 18:00

休廊日
両会場ともに火曜日

観覧料

2会場共通チケット

一般  1000円
学生  800円
※学生証をご提示ください。
●障がい者手帳ご提示の方は800円

再入場に関して

→ポスターハリスギャラリー
*半券ご提示で何度でも再入場いただけます。

→アツコバルー arts drinks talk
*半券ご提示で何度でも500円 (1drink)にて再入場いただけます。

企画・制作
ポスターハリス・カンパニー
アツコバルー arts drinks talk

この展覧会では、ポスターハリス・カンパニーが所蔵するポスターの中から、60年代と70年代のシルクスクリーンポスターをメインに、〈ポスターハリスギャラリー〉、〈アツコバルー arts drinks talkの2会場に渡って展示いたします。
シルク以外では1964年版東京オリンピックポスター4連作なども。 赤瀬川原平、田名網敬一、宇野亞喜良、林静一、栗津潔、横尾忠則、永井一正、加納典明、黒田征太郎、田中一光、和田誠‥‥まさに黄金期ともいえる60〜70年代日本のポスターをたっぷりとご覧ください。


Events



●デザイン対談
野又穫(アーティスト)× 笹目浩之(ポスターハリス・カンパニー代表)


10月9日(日)14:00〜15:00@アツコバルー
ポスター展の最後を締めくくるクロージングトークは、アーティストの野又穫さんをゲストに迎え、ポスターハリス・カンパニー代表、笹目浩之と対談していただきます。現在、アーティスト活動をしながら、女子美術大学デザイン科の教授も務める野又さん。彼の視点からみた60年代、70年代のポスターデザインについて語っていただきます。

*お申し込み不要/入場チケット+¥500(drink付)

野又穫(のまたみのる)
1955年東京都目黒区に生まれる。東京藝術大学デザイン科卒業。80年代より実在しない建物をモチーフとして絵画制作を開始し、1986年10月に佐賀町エキジビットスペース(1983-2000 江東区)で初の個展を開催。以降も一貫して独自の空想建築を描き続けている。東京オペラシティ アートギャラリー(2004)、群馬県立近代美術館 (2010)などで個展、2013年には町田市立国際版画美術館で『空想の建築—ピラネージから野又穫へ』展が開催された。東京銀座資生堂ビル(2001)、パークハイアット東京(2006)などでコミッション・ワークも制作している。1995年芸術選奨新人賞、2007年タカシマヤ美術賞受賞。主な著書に『Points of View–視線の変遷』(2004東京書籍)『もうひとつの場所—Alternative Sights』(2010青幻舎) 『Elements—あちら、こちら、かけら』(2012青幻舎) などがある。 9月17日(土)から11月23日(水)まで、東京オペラシティ アートギャラリーで、収蔵品展「川口起美雄|野又穫 ふたつのアナザー・ワールド」が開催されている。
作家ウェブサイト>


笹目浩之(ささめひろゆき)
1963年、茨城県生まれ。82年「天井桟敷」の芝居を観て演劇のとりこになる。83年、寺山修司追悼公演第2弾の美輪明宏主演「青森県のせむし男」のポスターを貼ってきて欲しいと九條今日子に頼まれ、飲食店の人々の温かい対応に感激。演劇界の雑用を引き受けていく中で、ポスター貼りを会社組織でおこなっていく事を決意。87年(株)ポスターハリス・カンパニーを設立。94年現代演劇ポスター収集・保存・公開プロジェクトを設立。2000年 (株)テラヤマ・ワールドを九条と設立。09年三沢市寺山修司記念館副館長に就任。



ポスター解説  –笹目浩之(ポスターハリス・カンパニー代表)

9月25日(日)
14:00〜@アツコバルー
15:30〜@ポスターハリス

*お申し込み不要 / 無料
(所定の時間にお集まりください。入場チケットは必要です。)